海島綿
普通の綿の繊維長が20~25mmであるのに対し、超長綿は繊維長35mm以上の物を指します。 その超長綿の中でも、トップレベルの繊維長をもつのが海島綿です。 繊維長が長いと糸を紡ぐ際に撚り回数が少なくて済むので、柔らかくしなやかな糸ができ、なめらかな肌触りとシルクのような光沢が生まれます。
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シーアイランドコットン(日本では海島綿”かいとうめん”と呼ばれています)は、カリブ海に浮かぶ西インド諸島バルバドス、アンティグア、ネービス、ジャマイカ、そしてベリーズの、5つの地域でのみ、わずかに産出され、傑出した品質に希少価値が加わり、宝石のように評価されています。年間の生産量は綿全体の10万分の1という希少価値の高い素材で、長い時間をかけてじっくり育成され、極力機械工程を減らし、摘み取りも人の手で一つ一つ丹念に行われています。
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「シーアイランドコットン」の呼び名は、18世紀に西インド諸島産のバルバデンセ種(コットンの種類)がアメリカのシーアイランド地方に持ち込まれ、そこで栽培された綿花に由来します。ですが20世紀初頭にアメリカでのシーアイランドコットンの栽培は、壊滅的な害虫被害により断念され、別の種類の綿花栽培へと移っていきました。それから100年ほどの月日が流れ、技術者の情熱と農業進歩により復活を果たしたのが、現在市場に流通しているアメリカン・シーアイランドコットンです。